
「ホームページのアクセス数がなかなか伸びない」
「アクセス解析を開いても、何を見ればいいのか分からない」
「アクセスは増えたのに、問い合わせは増えない」――。
中小企業のホームページ運用では、こうした相談が非常によくあります。ホームページを作って公開したあと、はじめは「アクセス数」だけを気にしてしまいがちです。しかし、アクセス数はあくまで「サイトを訪れた人の数」であって、それ自体が成果ではありません。
特に、地域のお客様からの問い合わせや電話を期待している中小企業にとって、アクセス数だけを見ていると、数字は増えたのに商談がない、という状態を見逃してしまうことがあります。
先に結論を言うと、中小企業が最初に見るべき数字は、「アクセス数」ではなく、この3つです。
- 問い合わせの数(成果が生まれたか)
- どこから来たのか(流入元)
- どのページを見られているのか(人気ページ)
この3つが分かれば、アクセス数が少なくても「次の一手」はほぼ見えてきます。
この記事では、ホームページのアクセス解析で何を見ればいいのか、そして見た数字をどう活かせばいいのかを、実務の視点で整理します。
◯こちらの関連記事も読まれています
まず知っておきたい「アクセス数は成果そのものではない」

ホームページの目的は、会社によって少しずつ違います。問い合わせの獲得、電話の誘導、資料請求、採用応募、地図の確認……。いずれにしても、「見てもらうこと」自体が目的ではなく、「その先の行動につながる」ことまでが目的です。
そのため、アクセス数は「入り口に立った人数」と考えてください。入り口に100人立っていても、その先の問い合わせや電話がなければ、ホームページはまだ成果を出していない状態です。逆に、アクセス数は少なくても、その中から安定して問い合わせが来ていれば、サイトはきちんと機能していると言えます。
特に地域密着の中小企業では、広い範囲からたくさん訪問されることよりも、自社の商圏に合った人に、必要なときに見つけてもらうことのほうが重要です。アクセス数だけを目標にすると、方向性を見失いやすくなります。
最初に見るべき数字はこの3つ

アクセス解析には多くの指標があり、Googleのアクセス解析ツール(Googleアナリティクス4=GA4)でもさまざまなグラフを見ることができます。しかし、最初から全部を見る必要はありません。中小企業がまず押さえたいのは、次の3つと、その「成果」です。
| 見る数字 | 確認したいこと | どう使うか |
|---|---|---|
| 問い合わせ・電話数 | サイトから問い合わせや電話が発生しているか | いちばん大切な成果。フォームや電話番号の計測ができているかも確認 |
| 流入元(検索・SNS・他サイト) | 訪問者がどこから来たか | 検索からが多いのか、SNSからが多いのかで「作戦」が変わる |
| 人気ページ(ページ別アクセス) | どのページがよく見られているか | 読まれているページには何が載っているか、足りない情報は何かが分かる |
この3つに加えて、「どのキーワードで検索されているか」が確認できる環境であれば、それも参考になります。ただし、最初からすべてを完璧に把握しようとすると続きません。
まずはこの3つを月に1回、5分で確認する習慣をつけることが大切です。
「アクセス数が多いのに問い合わせが来ない」3つの原因

アクセス数と問い合わせが結びつかないとき、原因はたいてい次の3つのどれかに当てはまります。
1. 来ている人が合っていない
検索エンジンから来る訪問者の多くは、「この地域で〇〇を探している」という検索意図を持っています。もし商圏外・業種外の人が来ているなら、地域やサービスの情報の出し方を見直す必要があります。
2. 相談したい情報が載っていない
訪問者は、問い合わせを決める前に「料金」「実績」「会社の安心感」を確認します。それらの情報がサイトに見当たらないと、迷ったまま離れていきます。アクセスは多いのに問い合わせがない場合、まずこの「確認したい情報」が揃っているかを見直してみてください。
3. 問い合わせまでの動線が遠い
興味を持った人が、「問い合わせフォームはどこ?」と迷うサイトは少なくありません。問い合わせボタンの位置、フォームの項目数、電話番号の表示場所など、動線が遠いとせっかくの興味を逃します。
アクセス数が少ない場合は「そもそも見つけてもらえていない」問題、アクセス数が多いのに問い合わせが来ない場合は「見つかっても納得してもらえていない」問題です。解決する場所が違います。
「どこから来たか」を見れば、次の一手が決まる

流入元の内訳は、そのまま「次に何をすればいいか」のヒントになります。
- 検索エンジンからの流入が少ない:SEO対策や記事(コラム)を増やして、検索で見つけてもらう余地がある
- SNSからの流入が中心:SNSで興味を持った人がサイトに来ている。SNSの投稿内容と、受け皿となるページの充実が課題
- 他サイトからの紹介が多い:取引先や団体サイトからの流入。実績ページや会社情報を整えると、紹介しやすいサイトになる
このように、「どこから来たか」が分かると、「見つける」ための改善ポイントが具体的に見えてきます。
「見られているページ」から、足りない情報が見える
人気ページを見ると、訪問者がサイトに何を求めているのかが分かります。
たとえば、サービス紹介ページがよく見られているのに会社概要があまり見られていないなら、訪問者は「サービスの内容」に関心を持って来ている可能性が高いです。
また、よく見られているページと、そこから先の動き(問い合わせに進んだかどうか)を照らし合わせることも大切です。
よく見られているのに問い合わせにつながらないページがあれば、そのページの情報量や導線に課題があります。
まずは「月1回5分」の確認習慣から

アクセス解析を毎日細かく見る必要はありません。むしろ、忙しい中小企業ほど、次のようなシンプルな習慣をおすすめします。
- 月初に1回、先月の問い合わせ数を確認する
- 流入元の内訳(検索・SNS・その他)を見る
- よく見られているページを3つ確認する
- 「前月と変わったこと」を1行メモに残す
この4点だけで十分です。毎月同じタイミングで見比べることで、「この施策を始めてから問い合わせが増えた」のような変化に気づけるようになります。
変化に気づくことこそが、アクセス解析を使いこなす第一歩です。
「問い合わせの計測」がまだなら、まず環境を整える
ここまでの話は、サイトの数字が見えていることが前提になっています。しかし実際には、「アクセス解析ツールは導入しているが、問い合わせの計測ができていない」という会社も少なくありません。アクセス数は分かるのに、問い合わせがどこから来たのかが分からない状態です。これでは、「見た数字をどう活かすか」の一番大事な部分が欠けてしまいます。
Googleのアクセス解析ツール(GA4)は無料で導入でき、ホームページに問い合わせフォームの送信イベントや電話番号のクリックを計測する設定も可能です。
「問い合わせが何件来たか」はもちろん、「どのページから問い合わせに進んだか」まで、少し設定を加えることで確認できるようになります。
まだ計測の環境が整っていない場合は、月1回の確認習慣とあわせて、この計測設定から進めてみてください。ツールの導入や設定に不安がある場合は、ホームページの制作会社やコンサルティング会社に依頼するのが確実です。
計測環境を整えることは、アクセス解析の第一歩であると同時に、ホームページ改善の土台になります。
数字は「飾り」ではなく「改善の手がかり」

アクセス解析は、ホームページを運営するうえでの「ものさし」です。ものさしがないと、何がうまくいっているのか、どこが課題なのかが分かりません。逆に、数字を見る習慣がつくと、サイトのどこを触ればよいか、誰にでも分かるようになります。
とはいえ、最初は「どの数字を見ればいいのか分からない」「そもそも問い合わせの計測ができていない」という方も多いはずです。その場合は、ホームページ制作だけでなく、アクセス解析の設定や運用の支援まで一貫して対応している制作会社に相談するのがおすすめです。
数字をきちんと見られる環境を整えるだけでも、ホームページの次の改善がぐっと進めやすくなります。
執筆者プロフィール
株式会社エスエムティ WEBディレクター 平山 純一
みやぎ産業振興機構登録専門家。
IT業界・WEB業界に20年余従事。様々なWebサイトの企画立案・設計業務、進行管理などを主とするディレクション、コンサルティング業務を担当。ECサイト関連では運用・保守業務他キャンペーン企画等も手がける。仙台・宮城の中小企業の「強み」をWEBで可視化し、成果につなげる支援を得意とする。
