
BtoB企業のホームページでは、サービス内容や会社概要と並んで、比較検討中の見込み客によく見られるのが「実績ページ」です。サービス紹介を読んで興味を持っても、「本当にこの会社に任せて大丈夫か」「自社に近い課題に対応できるのか」を確かめる段階で、実績ページを確認する人は少なくありません。特にホームページ制作、システム導入、コンサルティングのように、依頼前に成果物をイメージしづらいサービスほど、実績ページの役割は大きくなります。
ところが、実績ページがあっても、社名とサムネイル画像が並んでいるだけでは十分な信頼につながらないことがあります。見る側が知りたいのは、単に「実績があります」という事実だけではなく、「どんな相手に、どのような課題で、何を提案し、どう形にしたのか」という中身だからです。BtoB企業の実績ページでは、この中身の整理と見せ方が非常に重要になります。
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なぜ実績ページが重要なのか

実績ページは、ホームページの中でも信頼性に直結しやすいページです。サービス紹介ページでは、自社の強みや対応範囲を説明できますが、それだけではどうしても自社目線になりがちです。
一方で実績ページには、「実際に依頼された事例」が載るため、第三者評価に近い説得力を持たせやすくなります。
- どのような企業から相談されているかが分かる
- 対応できる業種や規模感が見える
- 自社と近いケースがあるか判断しやすい
- 依頼後のイメージが具体的になる
- 会社としての信頼性を補強できる
とくにBtoBでは、価格だけでなく「理解してくれそうか」「課題を任せられそうか」が重視されます。実績ページが整っていると、会社概要ページや料金ページだけでは伝えきれない安心感を補えます。
実績ページに最低限載せたい内容

実績ページは、単に制作物や案件名を並べるだけではもったいないページです。少なくとも次のような情報があると、見る側が理解しやすくなります。
1. 業種や企業属性
企業、小売・サービス、医療、教育、行政・団体など、どの分野の実績かが分かるだけでも、自社との近さを判断しやすくなります。業種が近い事例が見つかると、相談の心理的ハードルは下がりやすくなります。
2. 制作・支援の種類
コーポレートサイト、採用サイト、サービスサイト、ランディングページ、ECサイト、運用改善など、何を行った実績なのかを明確にすると、対応領域が伝わりやすくなります。
3. 依頼背景や課題
「古いサイトを見直したかった」「採用を強化したかった」「情報が整理されておらず問い合わせにつながりにくかった」など、背景があると、読み手は自社の課題と重ねて見やすくなります。
4. 対応範囲
企画、情報設計、デザイン、撮影、原稿整理、CMS導入、公開後の運用など、どこまで対応したのかを示すと、制作会社や支援会社としての強みが具体的に伝わります。
5. 工夫した点や公開後の変化
数字を大きく打ち出せなくても、「採用導線を見直した」「更新しやすい構成にした」「安心材料を整理した」など、工夫したポイントや方向性が見えると、実績ページの価値は高まります。
実績ページが弱くなりやすいパターン

せっかく実績があるのに、見せ方が弱くて損をしているケースは少なくありません。
よくあるのは次のようなパターンです。
- 画像と社名だけで終わっている
- どんな課題に対する案件だったのか分からない
- どこまで対応したのか見えない
- 古い実績ばかりで現在の対応力が伝わりにくい
- 一覧だけで、詳細な説明がない
- 見る人が自社に置き換えて想像しにくい
こうした実績ページでは、「数はありそうだが、よく分からない」という印象になりがちです。
BtoB企業の実績ページでは、件数の多さだけでなく、どう整理されているかが重要です。
社名を出せない場合でも実績ページは作れる

BtoBの実績ページでは、「クライアント名を出せない」「詳細を公開できない」というケースも多くあります。そのため、実績ページを作りにくいと感じる会社もありますが、社名が出せなくても見せ方の工夫は可能です。
- 業種や地域、企業規模をぼかして紹介する
- 課題や依頼背景を抽象化して掲載する
- 対応範囲や工夫した点を中心に伝える
- 成果の方向性だけを示す
たとえば「東北エリアの製造業企業」「採用強化を目的としたコーポレートサイトリニューアル」など、個社名を出さなくても十分に相談イメージは作れます。
重要なのは、実績が読み手の課題と結びつくことです。
BtoBの実績ページで信頼を高める見せ方

実績ページを信頼につなげるには、ただ掲載数を増やすのではなく、比較しやすい形に整理することが大切です。
業種別に分類する
企業、小売・サービス、医療、教育、行政・団体などで分けると、訪問者は自社に近い事例を探しやすくなります。実績の多い会社ほど、分類だけでも見やすさが大きく変わります。
目的別に見せる
採用強化、問い合わせ改善、ブランド整理、更新しやすさ向上など、目的で整理する方法も有効です。とくにBtoBでは、「何を作ったか」より「何のために取り組んだか」のほうが伝わりやすいことがあります。
詳細ページへの導線を付ける
一覧ページだけで終わらず、詳しい説明が読める詳細ページがあると、信頼感は高まりやすくなります。訪問者は、自社と近い事例を見つけると、より詳しく読みたくなるからです。
実績ページは営業資料の代わりにもなる

実績ページが整っていると、ホームページ上の信頼形成だけでなく、営業や商談でも使いやすくなります。問い合わせが入ったあとに、「似た案件の事例はこちらです」と案内できると、説明の補強になります。
特にホームページから問い合わせが入る場合、相手の担当者が制作やマーケティングに詳しいとは限りません。そんなとき、実績ページが分かりやすいと社内共有にも使われやすくなります。つまり実績ページは、集客だけでなく、商談の前進にも役立つページです。
実績ページから問い合わせにつなげる工夫

実績ページは見てもらうだけで終わらせず、相談につながる設計にしておきたいところです。実績を見て「自社にも相談できそうだ」と感じた人が、そのまま次の行動に進めるようにしておくことが重要です。
- 実績の近くに問い合わせ導線を置く
- 関連するサービスページへリンクする
- 会社概要ページや料金ページにもつなぐ
- 「このようなご相談も可能です」と補足する
- 採用やリニューアルなどテーマ別の導線を用意する
実績が豊富でも、その先の動きが取りにくいと、そこで止まってしまいます。
実績ページは信頼形成のページであると同時に、相談のきっかけを作るページでもあります。
実績ページは他のページとつながってこそ強くなる

実績ページは単独で完結するページではありません。見込み客は実績を見たあとに、会社概要ページで企業としての信頼性を確認したり、サービスページで対応範囲を見たり、料金ページで費用感を確かめたりします。そのため、実績ページだけを整えるのではなく、他のページとどうつなぐかも考えることが重要です。
たとえば、採用サイトの実績を見た人には採用ページや採用支援の案内へ、コーポレートサイトのリニューアル実績を見た人には制作の流れや料金の考え方へつなぐと、比較検討が進みやすくなります。
実績ページは「見せるページ」であると同時に、「次の相談につなげるページ」でもあるという意識が大切です。
まとめ
実績ページに何を載せるべきかを考えるときは、単に制作物や案件名を並べるのではなく、読み手が「自社にも当てはまりそうだ」と感じられる情報を整理することが大切です。業種、課題、対応範囲、工夫した点、公開後の変化などが見えると、実績ページは大きな信頼材料になります。
BtoB企業のホームページでは、サービス説明だけでは伝えきれない安心感を、実績ページが補ってくれます。もし今の実績ページが「画像と社名だけ」「一覧だけで浅い」と感じるなら、見せ方を見直すだけでも印象は大きく変わります。比較検討の最後のひと押しになるページとして、実績ページを改めて整えてみてはいかがでしょうか。
執筆者プロフィール
株式会社エスエムティ WEBディレクター 平山 純一
みやぎ産業振興機構登録専門家。
IT業界・WEB業界に20年余従事。様々なWebサイトの企画立案・設計業務、進行管理などを主とするディレクション、コンサルティング業務を担当。ECサイト関連では運用・保守業務他キャンペーン企画等も手がける。仙台・宮城の中小企業の「強み」をWEBで可視化し、成果につなげる支援を得意とする。
