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smt
投稿日:26.04.24 
最終更新日:26.04.24

熊が出た日に、会社サイトは何を伝えるべきか─仙台の企業が見落としがちな“地域不安時代”のWEB発信

カテゴリ:ホームページ制作その他

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熊が出た日に、会社サイトは何を伝えるべきか─仙台の企業が見落としがちな“地域不安時代”のWEB発信

仙台市やその周辺地域において、今年も熊の出没が相次いで報告されています。山間部だけでなく、住宅街や商業施設の近くでも目撃情報があり、地域住民に大きな警戒を呼び起こしています。

こうした出来事は、決してテレビや新聞の中だけの「単なるニュース」ではありません。地域の人々にとっては、毎日の通勤や通学、スーパーへの買い物、店舗への来店、あるいは現場への移動といった、生活動線そのものに直結する切実な問題です。

そして、このような“地域の不安”が突発的に発生した際、人が最初にとる行動は何でしょうか。それは間違いなく「スマートフォンで検索すること」です。しかし、ここで一つの大きな問題に直面します。多くの地域密着型企業や店舗、団体のWEBサイトが、いざという時に「平時の会社案内」のままになっており、来訪者や関係者に対して有益な情報を全く提供できていないのです。

本記事では、ニュースを面白おかしく消費するのではなく、地域不安が起きたときの「企業の公式情報の役割」という観点から、中小企業や店舗が備えておくべき実務的なWEB運用論について解説します。

この記事の目次

地域不安が起きたとき、人は何を検索するのか

地域不安が起きたとき、人は何を検索するのか

人は「熊」だけでなく「自分の行動」に関わる言葉で検索する

地域で不安な出来事があったとき、ユーザーは行政の発表する正確な情報を求める一方で、より自分に身近な情報を探します。例えば「仙台 熊 どこ」といった直接的なキーワードだけでなく、「通学路 危険」「〇〇店 営業してる」「今日 休み」といった、自身の行動に直結する言葉で検索を行います。

ここで注意すべきは、企業側が発信する言葉と、生活者が検索する言葉の間に「ズレ」が生じやすいという点です。企業は「緊急事態に対する弊社の対応方針について」といった堅い言葉を使いがちですが、ユーザーが知りたいのは「今日、そっちに行っても大丈夫か」「営業しているのか」という非常に具体的な内容なのです。

検索されるのは“事実”より“自分に関係ある情報”

熊の出没位置や詳しい状況といった客観的な“事実”は、自治体のサイトやニュースメディアに任せておけば問題ありません。企業や店舗が発信すべきなのは、その事実を受けて「自社のサービスや営業体制がどうなるのか」という、“自分(ユーザー)に関係ある情報”です。

たとえば、来店予定の顧客は「安全に駐車場まで行けるか、臨時休業していないか」を知りたがります。従業員は「出勤時間を遅らせてもよいか、どのルートを通るべきか」を気にし、取引先は「今日の配送は通常通り行われるのか」を確認したがります。対象者によって、求める情報が全く異なることを理解しておく必要があります。

Google検索とGoogleマップが最初の接点になる

現代の検索行動において、公式サイトと同じか、あるいはそれ以上に重要な役割を果たすのが「Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)」です。スマートフォンで店名や会社名を検索した際、一番目立つ位置に表示されるのはGoogleマップと連動したビジネス情報です。

もし臨時休業や営業時間の変更があるにもかかわらず、ここが「営業中」のままになっていれば、大きなトラブルやクレームの原因となります。公式サイトの更新と同時に、検索結果の最初の接点であるGoogleマップの情報を最新に保つ運用体制が求められます。

なぜ多くの会社サイトは“いざという時”に役に立たないのか

なぜ多くの会社サイトは“いざという時”に役に立たないのか

会社案内はあるが、緊急時の導線がない

多くの企業サイトは、会社概要、事業内容、代表挨拶といった「平時の会社案内」としては立派に機能しています。しかし、いざという時にトップページに「重要なお知らせ」を目立たせて表示する仕組みや導線が設計されていません。

その結果、せっかく営業時間の変更や臨時対応の案内を掲載しても、小さな「お知らせ一覧」の中に埋もれてしまい、急いで情報を探している訪問者の目に入らないという事態が発生します。

更新の仕組みがないから、結局何も出せない

緊急時に情報が出せない最大の理由は、「自社で簡単に更新できる仕組みがない」ことです。少しのテキスト修正や臨時のお知らせを追加するだけで、いちいち外部の制作会社に依頼しなければならない体制では、刻一刻と状況が変わる事態に対応できません。

総務担当者や店舗スタッフが、スマートフォンやPCからブログ感覚ですぐに更新できるシステム(CMS)が導入されておらず、結果として「何も発信しない(発信できない)」まま時間が過ぎてしまうのです。

平時の想定だけで作られたサイトは、非常時に沈黙する

WEBサイトを立ち上げる際、デザインの美しさや企業のブランディングばかりに目がいき、「トラブルが起きた時にどう情報をさばくか」という視点が抜け落ちているケースが非常に多いです。“立派な会社案内”と“いざという時に使えるサイト”は似て非なるものです。特に地域に密着して事業を行う企業ほど、実用性と対応力を兼ね備えた設計が求められます。

仙台の企業・店舗・団体が陥りがちな3つの罠

仙台の企業・店舗・団体が陥りがちな3つの罠

罠① 「公式サイトよりSNSで何とかなる」と思っている

「緊急時の発信はX(旧Twitter)やInstagramなどのSNSでやればいい」と考えている企業は少なくありません。確かにSNSは速報性に優れていますが、タイムラインの性質上、情報がすぐに流れてしまったり、アルゴリズムの都合でフォロワー全員に届かなかったりする欠点があります。

SNSはあくまで「拡散・通知の手段」であり、詳細かつ正確な情報をストックしておく「正式情報の置き場」としては不十分です。公式サイトという不動の拠点が最新の状態になっていて初めて、SNSの発信も活きてきます。

罠② 来訪者・会員・従業員・求職者を同じ情報で扱っている

罠の二つ目は、対象者ごとの情報整理ができていないことです。例えば、商工会などの団体サイトで「本日のイベントは中止します」とだけ書かれていても、参加予定だった一般の来訪者向けなのか、運営に関わる会員企業向けなのかが曖昧な場合があります。

同様に、企業サイトでも「顧客向け」「従業員向け」「求職者向け」など、知りたい内容が異なる人々に対して、すべてを一つの文章で済ませようとすると、結果的に誰にとっても分かりにくい案内になってしまいます。

罠③ “何も起きていない前提”でしか情報設計していない

臨時休業、配送ルートの変更、現場作業の延期、イベントの中止など、地域で事業を行っていれば様々なイレギュラーが発生します。しかし、多くのサイトは「毎日が平穏無事に過ぎる」という前提でしか作られていません。地域特有のリスク(自然災害や野生動物の出没、大雪などの悪天候)をゼロとして扱っているため、いざ事態が起きた時に慌てて対応することになるのです。

地域不安時代に強いWEB発信の共通点

地域不安時代に強いWEB発信の共通点

トップページで「今いちばん知ってほしいこと」を伝えられる

危機への対応力が高いサイトの共通点は、トップページの最も目立つ場所(ファーストビュー)に、緊急の告知枠や専用のバナーを即座に表示できる機能を持っていることです。訪問者がサイトを開いた瞬間に、「現在、通常営業しています」「本日は午後から臨時休業です」といった結論がひと目で分かるよう、埋もれない見せ方が工夫されています。

対象別に必要情報を分けている

情報が適切に整理されていることも重要です。「お客様へ」「従業員・関係者へ」「採用面接を予定されている方へ」というように、対象者ごとに見出しを分けて案内を記載することで、訪問者は迷うことなく自分に必要な情報にたどり着くことができます。この細やかな配慮が、不安を抱えてサイトを訪れた人の心を落ち着かせるのです。

サイトとGoogleビジネスプロフィールとSNSが連動している

公式サイトを一箇所だけ更新して満足するのではなく、Googleビジネスプロフィール(Googleマップ)の営業時間設定や臨時休業マークの付与、そして各SNSでの告知がスムーズに連動している企業は、情報発信の漏れがありません。それぞれの媒体の役割分担が明確に決まっており、有事の際の手順がマニュアル化されている証拠でもあります。

危機時に最低限そろえたい6要素

  1. 営業時間・休業情報(明確な変更時間や臨時休業の期間)
  2. 来訪・通行・アクセス情報(推奨される安全なルートや、利用できない駐車場の案内)
  3. 対象者別の案内(顧客、従業員、取引先、会員などへの個別メッセージ)
  4. 問い合わせ先(緊急時の電話番号や専用の連絡窓口)
  5. 更新日時(いつ時点の情報かが明確であること)
  6. 通常運営に戻った際の解除案内(事態が収束した後のフォロー発信)

熊出没が教えてくれる“平時からの設計”の重要性

熊出没が教えてくれる“平時からの設計”の重要性

危機時の発信力は、平時の更新力で決まる

熊の出没に限らず、あらゆる危機的状況において適切な情報発信ができるかどうかは、特別なシステムの有無ではなく「普段からサイトを更新する習慣があるか」にかかっています。平時からお知らせを更新していないサイトが、非常時だけ急に機能することはありません。CMS(コンテンツ管理システム)の操作に慣れ、更新権限を持つ担当者が明確に決まっているという平時の体制が、そのまま危機時の対応力に直結します。

採用・来店・営業活動にも直結する

このような実務的な情報発信の姿勢は、企業の信用そのものです。例えば求職者は、悪天候や地域不安が起きた際に「この会社は従業員の安全に配慮して、ちゃんと情報を出す会社かどうか」を見ています。来店客は「今日は行っても大丈夫か」という不安を払拭してくれた店舗を選びますし、取引先は「どんな状況でも連絡が取れる」という安心感を評価します。

地域密着企業ほど“安心を伝える力”が差別化になる

製品の品質やサービスの価格といったスペックだけで勝負する時代は終わりました。地域に根ざして事業を行う企業にとって、地元の人々の不安に寄り添い、適切に情報を提供する姿勢は、そのままブランド価値となります。大げさな危機管理マニュアルを作る必要はありませんが、「小さな危機広報」を的確に行える力は、他社との大きな差別化要因となるのです。

仙台で実行するなら、まず何から始めるべきか

仙台で実行するなら、まず何から始めるべきか

大掛かりなリニューアルより、更新しやすい仕組みづくりを優先する

「いざという時に備えて、数百万かけてサイトを全面リニューアルしよう」と意気込む必要はありません。まずは既存のサイトに対して、担当者が自力で更新できる「お知らせ機能」を強化したり、トップページに緊急告知エリアを追加する改修を行ったりすることから始めてください。並行して、無料で使えるGoogleビジネスプロフィールの管理権限を社内で共有し、有事の際にすぐ営業時間を変更できるようにしておくなど、小予算でも十分な改善が可能です。

制作会社に頼む前に、自社で「何を伝えるべきか」を整理する

制作会社にシステムの改修を依頼する前に、社内で「もし明日、店舗の近くで緊急事態が起きたら、誰に、どの媒体で、何を伝えるか」を整理しておくことが不可欠です。情報を出す優先順位や、誰が更新ボタンを押すのかといった簡易的なルールを取り決めておくことで、WEBツールは初めて「使える資産」になります。

【ソフトCTA】あなたの会社サイトは“地域不安”に対応できますか?無料チェックリスト

突発的な事態が起きた際、自社のWEBサイトや情報ツールが適切に機能するかどうか、以下の項目で診断してみましょう。

  • トップページの目立つ場所に、重要なお知らせをすぐに表示できる機能がある
  • 営業時間の変更や臨時休業の案内を、外部業者に頼らず自社で即座に更新できる
  • Googleビジネスプロフィール(Googleマップ)の情報を更新できる社内担当者がいる
  • スマートフォンで閲覧した際に、緊急の案内が読みやすく表示される
  • 緊急時の問い合わせ先(電話番号など)が、分かりやすい場所に明記されている
  • 来訪者に対して、安全なアクセスルートや駐車場の案内を出すことができる
  • 従業員、顧客、会員など、対象者ごとにメッセージを分けて案内できる
  • 発信した情報に「〇月〇日 〇時現在」といった更新日時を明記できる
  • SNS(XやInstagramなど)と公式サイトの役割分担が明確になっている
  • 非常時に「誰が情報をまとめ、誰がWEBを更新するか」社内の役割分担が決まっている

診断結果の目安:
● 0〜3個:要改善(有事の際に情報が出せず、混乱を招くリスクが高い状態です)
● 4〜7個:整備途中(機能はありますが、社内体制や運用ルールを見直す余地があります)
● 8〜10個:対応力が高い状態(素晴らしいです。地域や顧客に安心感を与えられる運用ができています)

「自社のサイトはいざという時に更新できない」「運用ルールが定まっていない」とお悩みの経営者・広報担当者様は、ぜひ一度ご相談ください。大掛かりなリニューアルに頼らない、実用的なWEB運用体制の構築をサポートいたします。

執筆者プロフィール

株式会社エスエムティ WEBディレクター 平山 純一

みやぎ産業振興機構登録専門家。
IT業界・WEB業界に20年余従事。様々なWebサイトの企画立案・設計業務、進行管理などを主とするディレクション、コンサルティング業務を担当。ECサイト関連では運用・保守業務他キャンペーン企画等も手がける。仙台・宮城の中小企業の「強み」をWEBで可視化し、成果につなげる支援を得意とする。

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